関連科目

地理学概論

持続可能な地域社会の実現には、世界中の地域に共通するグローバルな課題から、ローカルな地域固有の課題まで、様々なスケールにおいて地域の課題解決を考える必要がある。

地理学には、地域に生じる諸現象を、時間や空間の視点および自然と人文社会との関係などから総合的に分析し、それらのプロセスやメカニズムを解明するという特徴があり、地域の現状把握のみならず、地域課題の解決といった応用面にも有用である。

本講義では、自然地理と人文地理の基礎を中心に学び、それらを通して地域の特徴や多様性および地域に生じる様々な現象のメカニズムを理解するための視点や知識を身につけてもらう。

経営学概論

経営学とは、組織を分析の対象とした学問である。組織のなかには、私たちに身近な大学や企業、非営利団体、政府、国際組織などが含まれる。これらの組織をいかにして経営(マネジメント)するのかについて考える。

この講義は、「経営学へのいざない」「戦略論からの視座」「組織論からの視座」の3部構成になっている。

第一部の「経営学へのいざない」では、経営学の基本的用語を学び、ビジネス・システムに関する基礎知識を学ぶ。身近な企業や経営学で着目されてきた事例を通して、循環する事業の仕組みを創り上げてきたプロセスや、事業で直面した課題や制約に対して何らかの対策をすることでブレークスルーさせた軌跡、そして、企業が機能するビジネス・システムを構築するために組み込んだ論理的思考の実践や工夫などについて確認する。

第二部の「戦略論からの視座」では、戦略論の基礎知識を取り上げる。戦略論の本質は、「やることとやらないことを決める」ところにあると称されることも少なくない。すなわち、自社の特異な部分に焦点を当て、この特異性を最大限に発揮できる戦略を立案することが求められていることを学ぶ。

第三部の「組織論からの視座」では、組織の定義や組織全体の構造、組織の管理・マネジメントの在り方を学ぶ。

哲学・倫理学

哲学全般及びその一分野である倫理学から、世界、心、自己、善悪、社会、幸福などの基本的な主題を取り上げ、それらの本質とは何かを考えていく。その考察は、例えば「世界は私たちが知覚する通りのあり方をしているのか」「10年前の自分と今の自分が同一人物であるのはなぜか」「善悪の問題に一つの答えはあるのか」「なぜ社会の決まりに従わなければならないのか」といった、普段はあまり考えることのないような問いかけから始める。この考察を通して、ものごとの本質を捉えるとはどのようなことか、論理的に考えるとはどのようなことかを学ぶ。それらを学ぶことはまた、この「世界」がいかに多様な「パースペクティブ(眺望風景)」を持つかということを学ぶことでもある。

本授業は、学生が、以上のような哲学的思考の技法を学び、その技法を、自らの専門教育課程での学びや大学卒業後の人生に活かしていくための土台を作ることを目的とする。

観光人類学

 本授業の目的は、グローバル化が進行する現代社会の中での文化のあり方への視点を作ることにある。本授業における「文化」とは、文化財や文芸作品等にとどまらず、人々の生活パターンや世界観を大きな考察対象とする。移動や情報のあり方が大きく変わり、これまでの地域社会の考え方では対処できない面も大きくなってきた。その状況を踏まえ、文化人類学を学ぶ意義、研究成果、研究手法を考察する。

観光心理学

心理学の領域では人の個性を記述する理論が蓄積されている。そのうち「観光者迎え入れ側」及び「観光者側」の理解に有効かつ重要なものを本講義では紹介する。

具体的な幾つかの例話に、学んだ理論(実証データが世界各国にある理論)を当てはめ、分析案を少人数で出し合い、ミニ・ポスターの作成・発表・質疑応答を行うなどして、理論理解を深める。

心理学理論としてビッグファイブ性格特性やアイデンティティ論、理論横断モデルなどミクロの色彩の強いものから、シリアスレジャー、シュワルツの基本価値モデルなど社会全体への関心が強いものまでを幅広く学ぶ。

神道と環境Ⅰ

神道の世界観を手がかりにしながら、自然環境と社会環境をめぐる現代的諸問題について考えることが授業のテーマである。

環境問題はグローバルな問題であると同時にローカルな諸問題の集積でもあり、決して他人事ではなく自分自身の日々の暮らしの問題として考える必要がある。神道は日本において人々の暮らしの中から育まれてきた自然宗教であり文化ともいえるものであるから、私たちの環境に対するアプローチの歴史的文化的背景としての神道について、日本の山野河海、神話、社叢、祭祀、神饌など具体的なトピックを挙げて確認していく。さらにここから神道と環境との関係における新しい価値観や未来への指針も検討する。

本授業を通して、環境問題の背景を神道の立場から考察し説明できるようになること、環境問題解決に向けて自分自身の暮らしの中で貢献できる部分を発見することを到達目標とする。

神社ネットワーク論Ⅰ

神社が結ぶ社会のつながりと、その背景を探ることが授業のテーマである。

産業化・都市化・グローバル化、少子高齢化などが進んだ現代の日本社会で、様々に困難な問題が生じている。その解決に向かうためには、人々の関係の再認識と結び直しが必要となるが、地域神社の教化活動はそれと重なるところが大きい。人口変動、環境、福祉、まちづくり、災害救援などの具体的なトピックについて、問題の所在とこれまでの神社神道の試みをとりあげながら、どのような提案が可能かについて検討する。

本授業を通して、現代社会における諸問題と神社との関わりについて主体的な関心を持って自らが積極的に発言・議論できるようになること、講義内容・テキスト・資料に基づき神社が結ぶ社会のつながりとその背景についての基礎知識を正確に説明できるようになること、神社が結ぶ社会のつながりとその背景に関わる身近な事例に接して考察できるようになることを到達目標とする。

地域と都市の経済

本授業の目標は、空間経済学をベースとして、地域と都市という「空間」の観点から経済現象を理解するための基本的な理論を、ケーススタディとともに把握することである。特に受講者においては、ある経済活動が特定の地域に集積する産業集積のメカニズムやその意義を、理論的及び実証的に論じられるようになることが期待される。また、「東京一極集中」等の経済活動の集積がもたらす地域経済格差の問題も扱う。授業計画としては、まずは空間経済学と産業集積の基礎理論、及び地域経済格差の動向を学ぶ。続いて、産業立地と都市や地域における経済活動について学ぶ。これらによって、受講者が地域と都市の経済を多面的かつ空間的に理解できることを目指す。

経済地理

本授業では、受講者が経済活動の地理的多様性を把握できるようになることを目標とする。特に様々な地域における経済活動が、地域の地理的条件(地理的位置・自然環境、それらに規定される社会経済的条件)からいかに制約されるか、あるいは経済の諸主体がそれらの条件をいかに生かしているかという問題を扱っていく。授業計画としては、まずは経済活動と地理的条件の関係や経済地理の基礎概念について学ぶ。続いて、様々な地域における様々な経済活動のケーススタディを行う。これらによって、受講者が経済活動を、その地理的条件がもたらす物理的な制約や可能性に依拠して思考できるようになることを目指す。

観光まちづくり
インターンシップ

3年次に通年で開講する、観光まちづくりの現場を体験する科目である。地域で観光まちづくりや観光分野を担い、支える地方自治体、観光協会、DMO等の組織での就業体験を行い、地域や観光まちづくりへの問題意識を深めると共に、大学卒業後の進路や地域での観光まちづくりへの取組み方について明確なビジョンを掴むことを目的とする。 具体的には、夏季休暇中にインターン実習を中心に、事前学習(自己分析および実習先の知識)事後学習(実習の振返り、実習先への提案等)を経て、最終報告会と報告書取りまとめを行う。

生涯学習概論

 生涯学習及び社会教育についての基礎的な理解を図ることを目標とし、生涯学習の意義・概念(「私の学習史」と自己形成/生涯教育論の生成と展開等)、生涯学習に関する法律・制度(教育関連法の概要/社会教育行政・施設の仕組みと役割等)、社会教育専門職員の役割(社会教育主事・司書・学芸員・公民館主事の基本的職務と現状/生涯学習支援の理論と方法等)、生涯学習社会の構築(生涯学習を支援する主体の多様化/家庭・学校・地域の連携/生涯学習振興施策の展開等)、を中心に授業内容を構成する。
なお、本授業では、博物館に関する内容を積極的に織り交ぜるように配慮する。

博物館資料論

博物館には「物」すなわち資料が不可欠である。「物」がなければ博物館とはいえない。博物館に多くの種類があるように、博物館資料もまた実に多様である。博物館資料の多様性が、博物館の多様性と個性を生み出しているともいえる。そうした中で、博物館資料は通常の家屋等にある「物」とは異なる理念と目的の下で、通常とは全く異なる取り扱いがなされる。

多様な博物館資料について、その種類を示したうえで、それぞれの資料が博物館の中で調査・収蔵・展示される目的や理念を解説し、さらにはそれぞれの資料を適切に取り扱うための最も基本的な知識と技術を学ぶ。このことは、翻って博物館のもつ本質的な役割を逆照射するものであり、これ以降学芸員資格のために取得していくこととなる各論への足掛かりともなるものである。

博物館教育論

博物館法が教育基本法や社会教育法をベースとして法整備されてきたことからも明らかなように、博物館はそもそも社会教育を推進する公的施設としての役目を負っている。特に近年は、学校教育以外の教育・学びの場の重要性が増しており、その最もふさわしい公的施設の1つとして、博物館のもつ教育的機能の重要性は益々大きなものとなってきている。

博物館活動に内在している教育的機能、すなわち生涯学習の場としての博物館、コミュニケーションの場としての博物館などの側面を詳しくみていくことで博物館教育の理念と意義について考える。そして、博物館における学びや体験の実態について事例を交えて提供することで、博物館で行われる教育活動の企画や手法の理解に努める。また、学校教育との関係、ボランティア活動、地域社会との関係など、博物館の外にも視野を適宜広げてみることで、博物館における教育活動の基盤となる理論や実践に関する知識・方法を幅広く習得する。

博物館展示論

博物館活動において展示は、一般の方々と博物館とが接触する、最も一般的な場(機会)である。それは一般社会からみれば博物館の顔でもある。そして、博物館と社会との間の強固な懸け橋である展示は、博物館が担う資料保存や調査研究といった役割の成果を公開する場として、博物館活動の「現在」を伝える機能を果たしている。展示機能をもたない施設は、博物館とは呼べないだろう。博物館の展示は、公的機関としての博物館の設置目的と深く関わっており、店舗やイベント等の単なるディスプレイとは意味合いを異にする。そのため、展示には、資料保存や社会教育等にも配慮した専門的な知識と技術が必要となる。

コミュニケーション手段としての展示、展示の政治性や社会性、展示と調査研究などといった博物館展示の本質と課題について取り上げるとともに、展示の種類や制作の現場、演示具類の工夫、展示評価、展示更新など博物館展示の実際についても事例を交えて学ぶ。さらに、展示解説や展示図録,パンフレットの効果などについても言及することで、博物館展示に関する理論と方法を総体的に習得する。

博物館経営論

近年、博物館をめぐる状況は大きく変わりつつある。博物館は、資料を保管・展示する公的施設であるが、同時に生涯学習・社会教育施設としての役割が日増しに増大しており、さらには地域活性化の拠点、そして観光施設としての期待も高まっている。こうした期待にいかに応え、また設置目的を達成できるか、さらにはそれを客観的に示せるかは、博物館の運営・経営における大きな課題であり、博物館活動の中心にいる学芸員1人1人にも決して無縁なことではない。今や学芸員も博物館経営に関する一定の知識と理解をもつことは必須である。

行財政制度や財務、施設設備、職員組織などの面から博物館経営(ミュージアムマネージメント)とは何かについて考えることで、博物館の経営基盤の実際を知る手掛かりとする。そのうえで、博物館の使命を踏まえつつ、倫理(行動規範)や危機管理、広報(マーケティング)などの理念について検討する。また、ミュージアムショップやレストラン等の民間業者との連携、市民の参画、博物館ネットワーク、他機関(大学・協会等)との連携、さらには地域社会や行政との連携といった多角的な運営実態にも適宜目配りすることで、博物館の形態面と活動面における適切な管理・運営についての知識と理解を深める。

博物館情報・メディア論

博物館の柱となる活動は、収集(寄贈、寄託、購入等)した資料を整理・調査しつつ、しっかりと管理し、必要に応じて展示・公開等に適切に活用していくことにあるが、今日そのどの段階においても情報に関する一定の知識と理解は不可欠となっている。さらに、日々発達・更新される膨大な情報を適切に処理しつつ、メディアを積極的に利用していくことは、資料の取り扱いのみならず、博物館そのものの活動や運営にまで関わる重要な業務となりつつもある。情報・メディアを適切に管理・運用できる博物館こそが、従来とかくイメージされがちな内向きの「静」の施設から脱し、現代社会で求められる外向きの「動」の施設として展開していく道筋といってよい。

こうした状況下にある博物館の役割や方向性について、特に情報・メディアという切り口からみていくことで、今後の課題や可能性について考える。博物館における情報・メディアの意義や理論を学びつつ、具体的な事例なども交えながらデータベース化、デジタルアーカイヴ、バーチャルミュージアム、情報の保護と共有、データを介した連携や災害対応、情報発信・公開、さらには知的財産権等の権利の問題など、多方面から検討する。

情報・メディアに関する基本知識を身につけると同時に、その意義をしっかりと理解することで、現場で使える基礎的な能力を養う。日々アップデートされる情報・メディア技術に対応できるよう、原理原則を理解し自分の頭で解を模索する力を錬成する。

博物館実習A

博物館及び学芸員の活動は、身につけた知識や思想、技術を実際の現場で適切に発揮できてこそ意味がある。本講義では、「学内実習」「見学実習」を適宜組み合わせることで、博物館の実務に対する理解を深めることを目指す。

「学内実習」では、資料の収集から清掃、整理、保存、展示など取り扱いの技術を総合的に修得する。「見学実習」では、他の博物館のバックヤード(研究室、収蔵庫、作業室、燻蒸庫など)や展示室を学芸員の案内で見学するとともに、場合によっては資料整理等の支援も行い、業務の多様性と責任を深く理解する。

博物館実習B

博物館及び学芸員の活動は、身につけた知識や思想、技術を実際の現場で適切に発揮できてこそ意味がある。本講義では、「館園実習」として実際の博物館に出向き、2週間程度、現場の学芸員の指導のもと博物館の実務を行う。事前および事後の学習と「館園実習」を組み合わせる形で行い、現場に必要な技術や知識を高め、学芸員としての資質を養う。