「新たなふるさと」を生み出す縁づくり

定住人口を増やす取り組みのほかに、外部から趣味や仕事など、地域に何らかの目的で訪れる交流人口を増やす取り組みが各地で進んでいます。都市に住む人と農山村の新たな関係づくりについて考えてみましょう。

孫が地元に帰ってくる安心感と喜び

地方への移住では、地域住民との関係性が重要です。なぜならば、「外からくる者」への不安感が現在も根強くあるからです。そこで、祖父や祖母などの地元に孫世代が移り住む「孫ターン」が最近になって注目されています。親族にゆかりのある地域であれば、住んでいる人にとっても住みたい人にも安心感が生まれ、祖父や祖母などとの同居や、あるいは親戚が昔住んでいた家を気軽に貸してもらえる、農業をするにしても良い土地を借りられるなど、信頼関係がベースにあることで移住しやすくなります。

「〇〇さんの孫」ということで、地元住民とも早めに打ち解け、信頼関係が築きやすくなることも。

新たなふるさとをつくる取り組みとは

現代では、祖父母や両親が都市部出身で「自分の田舎がない」という若者も増えています。そこで、移住はしなくても、お祭りなどの行事や地域づくり活動などに参加して地域に関わりをもつ、関係人口を増やす「縁づくり」の取り組みも各地で行われています。また、年に数回、その地域を訪れて支援する以外にも、地域の産品を購入したり、ふるさと納税を行うなど、縁づくりのきっかけは様々にあります。それが、その人にとっての「新たなふるさと」づくりにつながるのです。一方で、関係人口を増やしたい地域にとって重要なのは、どのような地域にしたいのかビジョンを明確に発信することです。人々はそのビジョンに魅力を感じ、集まってくるのです。

関係人口を増やすのに有効なのが、地元のお祭り。お客さんとしてではなく、裏方として参加することで、地域との関わりがより深くなります。

地方に関わりのある人を増やすこともまちづくりの一環となる

【教員プロフィール】
嵩 和雄 准教授

都市農村交流、地方移住、グリーン・ツーリズム

【嵩先生の関連コラム】
SCOOP OF まちづくり一覧へ