SNSの進化が地方への関心を高めている?

少子高齢化や人口流出によって全国各地で深刻となっている地域の過疎化問題ですが、最近では若者世代を中心に地方移住に関心を寄せる人が増加しています。その背景には何があるのかを、探ってみましょう。

都会にはない可能性を求める若者たち

近年、都市から農山村への移住を考える人が増えつつあります。特にふるさとを持たない都市の若者世代を中心に価値観が変化し、「都市部よりも農山村のほうが可能性がある」と考える人たちが積極的に地方に移住し始めています。その背景には、スマートフォンの普及とSNSの急速な発展があると考えます。SNSによって移住先の情報を簡単に入手できるほか、先輩移住者とつながることもできますし、移住後も都市とのつながりを保ちながら、地方での暮らしを自ら発信できるようになりました。そのSNSを見た若者たちがこのようなライフスタイルに憧れて、地方を目指すという循環が生まれているのです。

人口が多く競争の激しい都市部に住むよりも、競争のない農村部で自分らしく生きたいと願う若者が増えている。

働き方の変化が移住を加速させる

若者たちの移住のネックとなるのは収入の確保です。都心と比べて「雇用の場」は圧倒的に少ないですが、農山村でも収入が得られる仕事はたくさんあります。最近では、新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに、転職を伴わないリモートワーク移住も広がりつつあります。このような働き方の変化によって、地域のなりわいに関わりながらこれまでの仕事も行う、マルチワークも可能になりました。通勤時間がない分、それを自分の時間として使うことができ、また、都市部で高い家賃を払って在宅勤務を行うよりも、「農山村で人生を豊かにしたい」と考える人が増えたのも時代の流れです。

古い建物を宿として改装してSNSで魅力を発信するなど、地域に新たな価値を創造する循環も生まれている。

農山村への移住は、自分の可能性を試すフロンティア精神に近いのかも

【教員プロフィール】
嵩 和雄 准教授

都市農村交流、地方移住、グリーン・ツーリズム

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