生まれ変わった学校が地域の新たな魅力に

近年、少子化で閉校となった学校を活用するユニークな取り組みが全国各地で行われています。
地域にとっては悔しい閉校を「地域らしさ」再考の始まりにすることで、地域のピンチをチャンスに変えていけるのです。

アート作品に生まれ変わった学校

少子化により公立小中学校の閉校が相次いでいます。2018年の文部科学省の調査によると全国に現存する廃校施設は6,580校で、そのうち約26%は未活用。各地が地域ならではの活用方策を模索しています。新潟県・越後妻有では、アートによって地域の魅力を引き出して交流人口の拡大を図る「大地の芸術祭」に国内外から参画するアーティストの作品制作やお祭りの会場等として、閉校になった学校も多数活用されています。アート作品として再生することで地域の景観とつながりを維持し、地域の記憶と知恵を未来に継承する試みが積み重ねられています。

芸術祭を契機に、地域のコミュニティの中心となっていた学校や地域文化の結晶である民家を再生。通年での取り組みに発展しているものも多い。

地場産業を支え、新たな観光・交流を生み出す学校

兵庫県・神戸市では、少子化と1995年に発生した阪神・淡路大震災による被災で閉校となった小学校の校舎を地場産業の復興・育成の場として活用しました。住民の思い出が残る小学校は、地域活動の場や避難場所としての役割を維持しながらも「北野工房のまち」として生まれ変わり、今では年間約120万人を惹きつける神戸観光の拠点の一つとなっています。学校は、都市部においても貴重な地域資源であり、観光まちづくりの中心として新たな命を吹き込むことができるのです。

地域から愛されてきた1931年築のレトロモダンな校舎をリノベーションし、校庭に駐車場を設け、神戸のものづくりの魅力を伝える観光拠点として20年支持され続けている。

学校を地域資源として活用する独自の取組みが農山村でも大都市でも広がっている

【教員プロフィール】
石山 千代 准教授

地域デザイン、観光資源の保存・活用、観光計画、観光まちづくり

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